Ravenscroft 275は、VI Labsが制作しているピアノ音源で、私のメインピアノ音源です。
こういったピアノ音源の多くはスタインウェイかヤマハをサンプリングしているのですが、この音源のサンプリング元は音源名と同じ”Ravenscroft Model 275″というアメリカのグランドピアノです。
正直あまり馴染みのないメーカーだと思いますし、なんなら本物よりこの音源の方が有名まであります。
それなら音も独特なのでしょうか?確かに独特ではありますが、非常に耳障りの良い、綺麗な音を奏でてくれます。
詳しく見ていきましょう。
レビュー
サンプリング元との比較
まずはサンプリング元である”Ravenscroft Model 275″の音を聞いてみましょう。
この動画ではショパンの幻想即興曲を弾いています。
ちなみにお値段ですが、公式サイトによると28万ドルだそうです。
日本円にするとおよそ3~4千万円ほどなので、Steinway D-274(約2200万円)やYAMAHA CFX(約2300万円)よりも一回り高価なピアノになります。
恐らく現在出回っているピアノの中でもトップクラスの高級ピアノですね。
それでは次に、ピアノ音源”Ravenscroft 275″の音を聞いてみましょう。
いかがでしょうか。
タッチの反応や空気感などが非常に似ており、丁寧なサンプリングがなされていることが分かります。
定価は199ドル(約25,000円)と、ピアノ音源単体としては少し高めですが、元々の価格を考えたら非常にリーズナブルといえる……かもしれません。
全般
動作はUVI Falcon(有料)、もしくはUVI Workstation(無料)にて行います。
有料版のKontaktでしか動作しない音源も多い中、この仕様はありがたいですね。
設定項目も一通り揃っており、特に不満を感じたことはありません。
なお、私はCloseマイクを中心に音作りすることが多いですが、ピアノを弾かれる方はPlayerマイクがおすすめです。
その名の通り演奏者の位置で録音されていますので、まるで本物を弾いているかのような臨場感を味わえます。
唯一この音源の不満点を挙げるとすれば、音が軽めなために独奏には少々向かないところでしょうか。
ピアノ単体で「聴かせる」音色を求めるなら、ViennaのSynchronシリーズあたりの方が合っているかもしれません。
とはいえ、それがオケに混ぜた時のまとまりの良さにも繋がってきますので、このあたりは仕方のないところではあります。
試聴
おわりに
ピアノ音源といえばIvoryやPianoteqあたりが有名ですが、それらと比較しても遜色ないクオリティの音源だと思います。
これ一つあればほぼオールジャンルに対応できるので、最初のピアノ音源としては特におすすめです。